皮膚科へ行くまでの迷いと、花札が教えてくれたこと

4月のある日、右のおしり(臀部)に、小さなぽつんとしたできものができました。座るたびに「あれ?痛いかも…」と違和感があり、数日で赤くなり、ぷつぷつと少し広がっているみたいでした。最初は「ただのできものかな?」と思い、市販の軟膏を塗って様子を見ていました。でも、だるさや微熱が出てきたとき、「あれ?ちょっとやばいかも…」と焦りました。素直に皮膚科へ行くのが正しい判断だとは分かっていたけれど、正直、場所が場所なだけに少し躊躇してしまいました。「家にある薬で治るかも…」そんなふうに、つい浅はかな考えで済ませようとしてました。でも、痛みは強くなるばかりです。行くしかない、そう決めてはいたんです。でも…その時、悪魔ヘスンが私の耳元でささやきました。

「花札で、このまま家の軟膏で良くなるって出たら、病院行かなくていいんじゃない?」って(笑)

そんなわけで、花札で占ってみました。

占的①このまま病院へ行かない場合、この炎症はどうなっていきそうか?(子の日)

→出た札「柳に小野道風(おののとうふう)の光札」
予想:回復の見込みなし、このままいくと炎症部位が悪化していくと思う。

柳には「収束・終わりに向かう」という意味があるので、最初は炎症もこのまま治まっていくのでは…と思いました。しかし、病院にも行かず原因もわからない状況でこの札が出たということは、混沌に向かっていると考えました。不安・混乱・疲れといった感情が押し寄せて、整理できない状態になるのでは…。というのも、実際には軟膏を塗っても炎症は治まらず、悪化しているのを体で感じていたからです。柳は、「収束」に向かう一方で、混沌(カオス)一歩手前の不安定さも持っています。しかもこの札は光札で、活動的な意味を持ちます。収まっていくというより、今の私の不安が過剰になっていく様子が伺えます。これは、「今すぐ病院に行かなきゃ」と、焦りました。

占的②病院へ行った場合は?

花札の循環図

→出た札「菖蒲(しょうぶ)の短冊札」
予想:治療法や解決策が見つかり良くなっていく。

占的①の予想で、病院へ行かない場合、不安が強まっていく、つまり炎症は良くならないと感じていました。そして、花札の循環図を見ながら考えました。柳の札の反対側に位置するのが「菖蒲(しょうぶ)」の札です。菖蒲の札には「炎症がピークに向かう」という読み方もできます。しかし、柳を過剰な不安と捉えたので、その反対側にある菖蒲は「安定の方向」「バランスの回復」とも読めると考えました。さらに、この菖蒲の札は短冊札です。太鼓判を押されたと受け取ることもできます。実際、菖蒲には「楽しい」「喜び」といった意味もあり、最終的に受診してよかったと思えると判断しました。

結果:すぐに皮膚科をWEB予約して、午後から行きました。診断は「単純ヘルペスウイルスの再発」でした。お薬(内服の抗ウイルス薬と軟膏)を処方してもらって、10日ほどでだいぶ落ち着きました。受診したのが病院の休日前だったので、行っておいてよかったと本気で思いました。ただ、先生から「再発性のヘルペス」と言われて驚きました。どういうことなのか、先生に詳しくお話をうかがいました。

実は20代の頃、帯状疱疹と髄膜炎を2回経験しています。さらに30代、2人目の妊娠中には膣にヘルペスが出て、高熱・嘔吐・激痛という、かなりつらい症状に見舞われ入院した時期もありました。
そのときは、「お腹の子供がちゃんと育つのか…」「どうしてこんなことが起こるんだろう…」と毎日泣きながら、暗く落ち込んでいたことを覚えています。

でも、実はもっと前、10代から30代にかけて、私はずっと、皮膚のトラブルにも悩まされてきました突然、顔が赤く腫れあがって皮膚科に駆け込み、ステロイド治療を受けたこと。首の後ろや背中にかゆみをともなう炎症が出たり、思い出せないほどの皮膚トラブルが繰り返しあったこと。原因もよく分からず、ひたすら「体質なのかな…」とあきらめてきました。でも、今ふり返ると不思議なことに、中年以降、そうした皮膚の悩みはほとんど出なくなっていました。今では、全くと言っていいほどでした。

今回私の体に現れたヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス(HSV)」というウイルスが原因です。実はこのウイルス、一度体に入ると神経の中にずっと潜伏し続ける性質を持っています。私自身、過去に膣のヘルペスを経験したことがあり、その時に体に入ったウイルスが、体調や免疫の状態に応じて再び活性化し、今回「臀部」に症状として現れたのだと言われました。

帯状疱疹=水ぼうそうウイルス(VZV)、膣・臀部のヘルペス=単純ヘルペスウイルス(HSV-2)、髄膜炎=ウイルス性(HSV-2の可能性あり)。ウイルスの種類は違っても、神経に潜伏しやすく、再発しやすいという共通点があります。そして、何度もそれを経験しているということは、体が「ウイルスに敏感」「神経や皮膚にサインが出やすい」特性を持っているとも言えます。

感染や遺伝について心配しましたが、発症中の水ぶくれに直接触れたりしなければ、家族やまわりの人にうつることはほとんどないそうです。このウイルスは、普通の生活の中で簡単にうつるものではなく、遺伝するものではないと言われたので安心しました。

一度でもヘルペスに感染したことがある人は、神経に潜伏し、一生体の中に残ります。症状がなくても、体内で静かに眠っている状態です。そして何かのきっかけで、再び目を覚まして表に出てきます。疲れ・睡眠不足・風邪をひいたあとや免疫が落ちているとき・強いストレス・生理前後・妊娠・更年期などホルモンバランスによる不安定・気温や湿度の急激な変化・肌がこすれる・蒸れるなどの外的刺激といった要因がいくつか重なると、体のバランスが崩れ、「今、体ががんばりすぎてるよ」とヘルペスがサインを出してくることがあるそうです。

ヘルペスは誰にでも起こりうるものです。そして、なりやすい人というのは、体が繊細で、変化に敏感なのかもしれません。無理せず、我慢せず、体の異変を感じたら「さっさと、病院へ行きましょう!」

HESUN ヘスン

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ヘスン

1972年島根生まれ。愛媛・松山を中心に占い師として活動しています。詳しくはこちらから。ご相談やイベントのご依頼はこちらから。Instagramもやっています。

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