娘と桜と、花札占い

春休みも後半になり、高校生活最後の春を迎える娘と、思い出をひとつでも増やしたいと思い、一緒に桜を見に行くことにしました。

桜は、きれいで、はかなくて、その年、その瞬間にしか出会えない花。だからこそ、娘と一緒に見られるこの春を大切にしたいと思っています。せっかくなら、行ったことのない場所へ行ってみようと思い、ネットで場所を検索。そして出発前に、花札を引いてみました。

「今日、桜を見に行ってどんなことが起こりそうか?」

実はその中には、こんなちょっとした気がかりもありました。
・初めての場所で迷わずに行けるかな?
・駐車場は十分あるのかな?
・桜は満開できれいに咲いているかな?
ちょっとした心配と、楽しみな気持ちと。自分の中では、この問いの“焦点”が自然と絞られていたように思います。

こうした「〇〇をしたら、どうなる?」という問いかけを、占いでは”占的(せんてき)”と呼びます。占的とは、簡単に言えば「何を知りたいか?」という“占う目的”や“占う際に絞る対象”のことを指します。

今回は気軽なテーマでしたが、もしご相談者様からいきなりこの質問だけをいただいたとしたら、私はきっと、もう少し詳しくお話を伺うと思います。なぜなら、同じような質問でも、その背景や気持ちのニュアンスは、人によってまったく異なるからです。そして、もしそれがもっと真剣で深いお悩みであれば、なおさら丁寧に、しっかりと対話を重ねる必要があると感じています。

たとえば今回のような「桜を見に行く」というテーマでも、お弁当などの飲食を楽しみたい場合には、スペースがあるか、人が多くないかが気になるかもしれません。お天気が怪しければ、それだけで「行くかどうか迷う」理由になることもあります。また、「誰と行くのか」「どんな気持ちで出かけるのか」によっても、同じ“桜を見に行く”という出来事の意味は、大きく変わってくるのです。

だからこそ、私はいつも、「何を知りたくて占うのか?」をしっかりと絞ること(占的)をとても大切にしています。曖昧な問いには、やはり曖昧な答えしか返ってきません。けれど、占う前に「何に不安があるのか」「何にこだわっているのか」「何に期待しているのか」などを整理するだけで、花札が出してくれる答えも、グッと現実に寄り添ったものになると感じています。

占いをより良く活かすためには、ただ「見てもらう」のではなく、ごちゃごちゃになった気持ちを整理したり、「本当は何を知りたいのか?」を一緒に見つけていくことも、とても大切な過程だと思っています。

でも実は、これは意外と難しいことだと感じています。「占い師だから、なんでもわかるでしょう?」そんなふうに思っているご相談者様も少なくありません。また、占いを「何か不思議な力で、すべてをズバリ言い当ててくれるもの」と受け取っている方もいらっしゃいます。そうした期待が強すぎると、ご相談者様の本当の気持ちと、占いの結果との間にズレが生まれてしまうこともあるのです。

私は霊感や霊視ができるタイプではありません。でも、その代わりに、ご相談者様のお話をしっかりとお伺いしながら、占いという“ツール”を使って、頭の中で情報や現象をひとつひとつつなぎ合わせて、今の状況に合った答えを見つけていくようにしています。このため、私はいろいろとお聞きします。どんな環境にいるのか、どんな不安で、どこに迷っているのか、何にこだわっているのか、対話の中で拾い出していってます。それを知ることで、より的確で、現実に寄り添ったアドバイスができると感じているからです。

話が大いにそれてしまいましたが、

「今日、桜を見に行ってどんなことが起こりそうか?」

花札を3枚ひきました。占った月は4月です。

予想:悪戦苦闘しそうです、すんなりとは車を停められそうにないみたい。もしかして、桜を見ることが難しいのかな?!でも、意外とゆったりとのんびりできる流れになりそう。

対策:松の札には停滞する、時間がかかるといった意味があるので、対応力や柔軟さが大事になってきます。萩の札が出ていたので、状況に応じて動けば、穏やかに桜をみることが出来そうと思いました。

結果:思ったより、家から目的地までは距離がありました。でも、川沿いに咲く桜の並木が見えてきた瞬間、薄紅色に染まるその光景に「わあ〜、きれい!」と、思わず見とれてしまいました。早く行きたい気持ちはあるものの、やはり車が多くて、なかなか駐車できません。臨時駐車場があると聞いていたのですが、どうしても見つけられず……。結局、少し離れた大型スーパーに車を停めることに。もちろん、そのお店でお弁当と飲み物を買ってから向かいました。
川沿いだからか、少し風が強くて、肌寒く感じました。それでも、1歳に満たない小さな子どもや幼児を連れた親子、ワンちゃんを散歩させている方など、たくさんの人でにぎわっていて、満開の桜ロードにぴったりな、穏やかでにほっこりする風景でした。娘とゆっくり気持ちのいい時間を過ごせたこと、その一方で、「来年にはもういないんだなぁ」とふと感じる寂しさ。でも…くよくよなんてしてられません。私も、新しいスタートに向けて、GOです!

以上、花札占いでした。

HESUN ヘスン

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ヘスン

1972年島根生まれ。愛媛・松山を中心に占い師として活動しています。詳しくはこちらから。ご相談やイベントのご依頼はこちらから。Instagramもやっています。

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