10月も後半に差し掛かってくると、ふと去年の今頃のことを思い出します。
「今の塾のままでいいんだろうか…」
「志望校も受験校も、なかなかはっきりと決まらないな…」
当時は不安と焦りでいっぱいでした。しかも私自身、ちょうど更年期と重なって体調が本当に悪くて辛かったんです。婦人科に通ったり、漢方やサプリを飲んだりしながら、なんとか毎日を過ごしていました。子どもにはなるべくそれを見せないように必死でしたが、今振り返っても、本当によくあの時期を乗り切ったなと思います。
我が家には、大学4年生と1年生の二人の子どもがいます。たった数年しか違わないのに、受験の状況も違えば、二人の性格も直面した悩みもまったく別物でした。
この記事は、「こうすれば合格する」というノウハウ集ではありません。私が二人の受験を通して、実際に迷い、失敗し、反省したリアルな経験談です。今まさに受験期を迎えているお母さんや、これから受験を迎えるご家庭に、少しでも役立ててもらえたらうれしいです。
高2からの準備と、現地で感じる「自分の感覚」
高校1年生の時は、新しい生活や部活に慣れるので手一杯で、大学受験のことなんて誰も考えていないのが普通です。
ですが、多くの高校で高校1年生の秋から冬にかけて、2年生からの文理選択(コース選び)が行われます。
ここで「国公立を目指して5〜6教科しっかり勉強するのか」「私立に絞って3教科に集中するのか」、あるいはどういう分野に行きたいのかという方向性がほぼ決まります。だからこそ、1年生の終わり頃までには「地元の大学がいいのか、県外に出たいのか」「国公立なのか私立なのか」といった大まかな話を親子でしておかないと、いざ選択を迫られた時に子ども自身がものすごく悩んでしまいます。

オープンキャンパスも、気になる大学があるなら高1~2のうちに行っておくのが絶対におすすめです。高3になってから慌てて動こうとしても、勉強や日々のやることに追われてそれどころではなくなってしまいます。
ネットやSNSの過剰な情報だけに振り回されるのではなく、実際にオープンキャンパスへ足を運んでキャンパスの周りを歩いてみたり、通っている先輩から生の話を聞いてみたりすること。そうして自分の目で見て肌で感じたリアルな感触こそが、高3で最終的に受験校を決めるときの大きな指針になると思います。
タイプが違う二人と、我が家の失敗談
我が家の子どもたちは、タイプが全く違いました。
【上の子の場合】
上の子は高2くらいまでは、自分の好きなことができていればそれで満足という感じで、頑張って勉強するとかなかったし、休日は一日中寝ているような子でした。それでも行きたい大学が決まった瞬間から一気に集中し始め、苦手だった早起きをして気持ちを切り替えた姿にはびっくりしました。
受験校を決める時期には、塾の先生や塾長と面談しながら、自分で本命校・実力相応校・安全校を調べて決めていたので、親の手出しは不要でした。
ただ、私が遠征スケジュールで大失敗をしてしまったんです。
試験日程の前半2日間のあと、間が2〜3日空くため、そのまま残ると1週間ほど関東に滞在することになります。一人で1週間もホテルにいたら食事や洗濯はどうするんだろうと心配になり、一度松山に戻らせる判断をしてしまいました。
確かにそのまま残るのも大変だったとは思うのですが、行ったり来たりの長距離移動の疲れが想像以上に響いてしまい、後半の本命校に万全な体調で挑ませてあげられなかったんです。
私が現地まで一緒について行ってサポートしてあげればよかったなと、今でも深く反省しています。
【下の子の場合】
一方、下の子の学校生活は真面目で、どちらかと言えば総合型選抜で受かりやすいタイプの子だったと思います。ただ、すでに第一志望の大学を早い段階で決めていて、一般選抜になります。当時の本人の成績からはかなり上のレベルだったので、親としては「無理して一般選抜で受けなくても…」と思い、その気持ちを伝えたこともありましたが、本人は「落ちてもいいから絶対そこを受けたい」と譲りませんでした。
結局、高3の後半期は過酷な一般選抜に挑むことになり、結果として第一志望には届かず、実力相応校に進学することになりました。今思えば「最初からその大学を総合型選抜で受けていれば、あんなに大変な思いをしなくて済んだのに」と思う気持ちもあります。
でも本人としては「第一志望に挑戦したからこそ、すっぱり諦めがついた」と言っていました。もし受けさせなかったら後で後悔していたかもしれないので、本当に大変な思いをしましたが、本人がすっきり吹っ切れている姿を見ると、「あれも意味のある時間だったのかな」と、今はそんな風に思いたいです。
下の子の受験で一番大変だったのは「塾の変更」でした。
上の子の時から長年お世話になっていた信頼できる塾長さんが転職されてしまい、新しく来た塾長さんとは相談してもアドバイスがいまいちで、成績も伸び悩んでしまったんです。このままでは志望校の受験すら危ういと思い、高3の秋口というギリギリの時期に、一か八かで別のオンライン塾へ変更しました。
新しいオンライン塾への変更は、自宅で受けられて費用感も変わらず受講数が増えるというメリットに目が向き、オンライン特有の大きな盲点に気づけませんでした。
特に最大のストレスだったのが、対面窓口や電話対応がなく、やり取りがすべてLINE限定だったことです。何か相談や確認をしたくても話すことができず、返信に2〜3日かかることもあって、意思疎通が本当に難しかったんです。また、元の塾の自習室が使えなくなったため、子どもが自転車で通える範囲で別の有料自習室を探すのも一苦労でした。
そして、担当講師の急な日程変更も多く、子ども自身もかなりストレスを抱えていました。「もう受験直前だからこのままでいい」と子どもが言うのでそのままにしてしまいましたが、本当に大きな反省点として残っています。
近年の入試事情と「併願校・日程」の組み方
下の子の受験では、併願校(実力相応校や安全校)を決めるのにものすごく時間がかかりました。
近年の大学入試は、定員厳格化の影響や「歩留まり率(合格者のうち実際に入学する割合)」の調整が難しくなったことで、大学側が合格者を絞り込む傾向が続いています。そのため、難関校を狙っていた受験生たちが併願校に流れ込み、これまで安全校とされていた大学まで高倍率化して、全落ちしてしまう子が珍しくない過酷な状況になっています。
だからこそ、併願校(実力相応校や安全校)の決め方と日程の組み方は本当に重要です。
むやみやたらに受験数を増やしてもお金がかかるだけですし、本命校の合格発表より前に入学金の納入期限が来てしまうと、権利をキープするために二重・三重に入学金を払う羽目になります。
そして何より、「安全校だから」と適当に選ぶのではなく、本当にここに通うことになったとき、自分が納得して通えるイメージが湧くかを親子でちゃんと話しておくことが大切です。そうでないと、進学してから「こんなはずじゃなかった」と行き詰まり、大学をやめてしまうような地獄を味わうことになりかねません。
高校生になったら「自己責任」を持たせる
共通テストをはじめ、今の受験手続きはネットでの個人出願が主流です。
親が何から何まで先回りして手を出すのではなく、確認や問い合わせも含めて子ども本人にやらせることです。
小さな確認漏れが「受験資格を失う」という大きな失敗につながるからこそ、「自分の受験は自分でやる」という意識を持たせることが大切です。後になって「お母さんのせいで失敗した」と言わせないためにも、自分の行動には最後まで責任を持たせるスタンスでいるくらいがちょうどいいと感じています。
お母さん自身の心と体を一番に守る
受験は長丁場です。共働きのお母さんも多いですし、一人で全てを抱え込むと、親の方が精神的にも肉体的にも参ってしまいます。
私自身、更年期で本当に辛かった時期は、婦人科の先生に今の状況を相談したり、妹に気持ちを吐き出したりしていました。
お母さん自身が最後まで子どもと一緒に受験を乗り切るためには、相談できる場所や辛さを吐き出せる相手をつくり、自分の心と体を守ることが何よりも大切です。
また、お金や奨学金の話も、現実的な枠組みとしてあらかじめ子どもに話しておくと安心です。
奨学金というと日本学生支援機構(JASSO)の貸与型(借りるタイプ)を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、返済不要の「給付型奨学金」も実はたくさんあります。条件はさまざまですが、一般企業や団体が実施している民間の給付型奨学金もありますし、大学独自の奨学金制度も充実しています。
もし1年生の時点で大学内の奨学金対象になれなかったとしても、1年目の成績や活動を頑張ることで、2年次から申請できる給付型奨学金にチャレンジするのもひとつの手です。
「うちは無理だから」と諦めずに、どんな制度があるのかを子どもと一緒に調べたり、子ども自身にも調べさせて共有する癖をつけておくと、それ自体がすごく良い経験になります。
受験に限らず、子どものさまざまな節目や成長のステージで悩むお母さんたちの心が、この記事で少しでも軽くなったらうれしいです。
普段、占いを通してお話しするなかでも、塾との相性や合格可能性だけでなく、「そもそも本当にその大学に行きたいのか」「どんな環境がこの子に合うのか」といったご相談などもお受けしています。
ぐちゃぐちゃになった考えを整理するお手伝いもできますので、何でも気持ちを吐き出す場として気軽にお問い合わせくださいね。
HESUN ヘスン
