ある70代の女性のお話です。彼女は排尿のトラブルに悩まされとても苦しんでいます。ちょうど6年前くらいに膀胱炎を患い治療をしていました。
夫が2年前に亡くなったのがきっかけで酷い尿のトラブルが出始めました。もう夜も眠れません。尿漏れや残尿感、膀胱炎、排尿痛、残尿感と排泄のコントロールが効かなくなりました。しまいには、家で転倒してしまい、肩や腕、膝を打ち身体も精神もボロボロです。落ち込んだり、ヒステリックになったりと収拾がつかなくなりました。
生前のご主人様はいわゆる亭主関白な方で、女性は結婚した当初から夫を立てるという立場できました。お舅さんお姑さんと同居しながら家事育児を必死に頑張ってきて、家計を助けるために仕事もたくさんしてこられました。
数知れない苦労を乗り越えてきて、長年過ごされてきたのもあり、もうご主人様の言動には影響されない術も得られていたように感じました。
現代とは違い、私の母世代はお金やモノがない時代です(あくまでも私の見解)。我慢強い方が非常に多いです。
父親や夫という存在が一番権力がありましたし、お舅さんがいればさらに上に立ち実権を握ります。母親という存在は、ひたすら黙って支えるといった家庭がほとんどだったのかもしれません。
主従関係はかっちり出来上がっていて、この関係性の上でお互いのバランスを取っていたのだと思います。
夫が亡くなって、女性は非常に不安定になりました。もちろん、夫が死んでしまうことはとても辛いことだと思いますが、もう夫からの縛りはなくなったんです。それなのに、まるで「糸が切れた凧」のような状態になりました。本来は、自由気まま、気の向くままにという意味になりますが、彼女の場合は夫というコントロールが切れたことによって目的や目指すものを失ったように感じました。
意味 操作できずにどこへ飛んでいくか分からない凧のことで、どこをほっつき歩いているのか分からない者などの喩え。気の向くままにとか、風の吹くまま気の向くまま。一方では、一直線に向かっていた目標がなくなり方向性が定まらず、不安定なさま、という意味もある。 |
縛りや権力に悩まされていたはずなのに、夫の死によって肉体・精神に打撃を受けるという現実にとても矛盾を感じました。
こういう方が住んでいる土地やお家の間取りはどうなっているんでしょう。家相地相を勉強中の私は観察します。
この女性の住居は南北に長い土地に建物で、持ち家です。玄関は南です。(土地の影響)8:2(家の間取りの影響)の割合です。長方形の土地や家に住んでいる人は、動きがたくさんあり、能動的になります。正方形だと動きが鈍く保守的になりやすくなります。
南北に長いとなると、縦長の南北の現象が強く出ます。南は夏→暑い・頂点(ピーク)、北は冬→寒い・底(ボトム)という表現になり、正反対になります。暑いと寒いといった具合に極端に違い、上下関係や世間体をとても気にする家庭になりやすいです。感情で考えたとしても浮き沈みが大きくなり、ピリピリした空気感や混沌とした雰囲気が入り混じるような出来事が家庭内で起こっていたことも女性の話からよく当てはまっていると思いました。
家相地相で鑑ていきますと、南から連想すると、はっきりさせる・際立たせる・評価・結果が出る・分かれる・興奮・目立つ・火に関わることと言った意味合いがあります。身体的作用箇所だと、心臓、頭、眼、小腸、精神疾患、ヒステリック、火傷などがあります。数字は、2・7がよく出ます。
反対の北から連想すると、曖昧さ・見えない部分・混沌・悩み・穴・混ざりあう・水に関わることと言った意味合いがあります。身体的箇所だと、腎臓、膀胱、肛門、耳、血液・体液、原因不明の病気、引きこもるなどがあります。数字は1・6がよく出ます。
女性は6年前から膀胱炎になり、ご主人様が亡くなって2年経ってから尿トラブルや精神が不安定になるなどとても強い現象が出ました。
玄関が南ですので南の気がよく入ってきます。ご主人様は重い心臓病を長年患っており、肺腺癌や尿のトラブル、痛風も抱えていらっしゃいました。南、北の現象がよく出ています。
家のトイレの位置は西にありました。西は一時的にたくわえておく場所という意味があり、西の現象として膀胱が出ます。そこにトイレなので、その部分の容量(器)がとても小さくすぐ溢れかえってしまうと考えます。そして汚ないものを流し続けるので西が弱くなり西を表わすもののトラブルを起こしやすくなります。
住んでいる土地やお家の影響というのは、引っ越してから4年目からじわじわと確実に出てきます。今回の女性のお家は簡単な解説となりましたが、住むところというのは見るファクターがたくさんあります。そしてその影響はそのまま住み続けている人達に効いてきます。
ご相談者さまが、普段の心持ちや行動を変えることで運気の流れが変わるなら本当にラッキーだと思います。
でも変われない、状況が悪いまま、どんどん悪化するのは小手先のことではどうにもならないということだと思います。
そして、なぜその土地に住むのか、そのお家を選んだのか、家系の流れなども鑑ていかなければ解決しない場合もあるということです。
まだまだ私も実践が足りてないので、自分自身の住んできたところや、街を歩きながら建物を見て、店舗を探索しながら常に観察です。
ご相談者様のご相談を受けながら、お住まいのお話を伺わせて頂くのもこういった理由からです。
HESUN ヘスン